オクトーバーフェストとは?歴史・ビール・料理・本場の楽しみ方までご案内

オクトーバーフェストとは?歴史・ビール・料理・本場の楽しみ方までご案内

オクトーバーフェストとは?歴史・ビール・料理・本場の楽しみ方までご案内

 

世界最大のビール祭り「オクトーバーフェスト」の歴史・起源・6大醸造所・定番料理まで完全解説。実際にミュンヘンを訪れたシュマッツが、ガイドブックには載っていない本場の姿をお伝えします。

秋になると、ミュンヘンから不思議なニュースが届きます。650万人が集まり、16日間で650万リットルのビールが飲まれる。スタッフだけで1万3千人。ビール1杯が約2,500円。

「いったいどんな祭りなんだ……」と気になり続けていた私たちシュマッツメンバー4名も、昨年ついにミュンヘンのオクトーバーフェストに行ってきました。現地で驚いたことは山ほどあって、その話は次回から「訪問記」シリーズとして詳しくお伝えするつもりです。まずはこの記事で、オクトーバーフェストの全体像を掴んでもらえれば!


1810年、一人の花嫁の名前から始まった

オクトーバーフェストが生まれたのは、1810年10月17日のことです。

バイエルン王国の皇太子ルートヴィヒ(後のルートヴィヒ1世)が結婚した記念に、ミュンヘン郊外の草原で競馬大会が開かれました。なんと約4万人の市民が集まって盛大に祝ったといいます。

 

「テレーゼの草地」という名前の由来

この草原に、バイエルン王マクシミリアン1世が名前をつけました。「この場所を、花嫁テレーゼへの敬意を込めて"テレーゼの草地"と呼ぼう」──それが今も残る「テレージエンヴィーゼ(Theresienwiese)」の由来です。ミュンヘン市民には「ヴィースン(Wiesn)」と略して呼ばれ、200年以上たった今もその名前は変わっていません。

翌年からは農業品評会が加わり、やがて娯楽施設も増え、大手醸造所が大型テントを建て始め──今の形になるまで200年かかっているわけです。

ちなみに、最初のきっかけとなった競馬大会はなんと1960年まで続いていました。ビール祭りとして定着した今では想像しにくいですが、実は一世紀半にわたって馬が走っていた。そんな意外な歴史もオクトーバーフェストの面白さです。

 

戦争もコロナも乗り越えて、今年で191回目

200年の歴史の中で、オクトーバーフェストは約24回中止されてきました。戦争・コレラの流行・ハイパーインフレーション、そして記憶に新しい2020〜2021年のコロナによる2年連続中止。1813年以来最長のブランクでした。それでも毎回復活してきた祭りが、2026年で第191回目を迎えます。


なぜ「10月祭」なのに9月に始まるの?

「Oktoberfest(10月のお祭り)なのに、なぜ9月から始まるの?」

これ、多くの方がひっかかるポイントですよね。答えはシンプルで、ミュンヘンの10月の天気が悪いからです。

答えは1872年の「吹雪」にある

記録によれば、1829年の開催中には突然の吹雪でテントが全閉鎖に追い込まれたこともあります。一方で9月末には「インディアンサマー(Altweibersommer)」と呼ばれる穏やかな晴天が続く。それならいっそ早めよう、ということで1872年に開幕が9月に変更されました。

「10月祭」という名前だけが残り、中身は9月に移った。なんとも実用的な理由ですが、それがドイツらしい(笑)。

現在のルールでは「9月第3土曜日に開幕、10月第1日曜日または10月3日のいずれか遅い方で閉幕」。**2026年は9月19日(土)〜10月4日(日)**の16日間です。


その規模、想像を超えてくる

正直に言うと、現地に行くまで「大きなビール祭りね」くらいにしか思っていませんでした。でも実際に会場に足を踏み入れた瞬間、考えが変わりました。

650万人・42ヘクタール・38棟のテント

テレージエンヴィーゼの広さは42ヘクタール(東京ドーム約9個分)。そこに大テント14棟・小テント21棟が並び、総座席数は約12万席。2025年の実績では16日間で650万人が来場し、650万リットルのビールが消費されました。史上最高は2023年の720万人で、これは1985年の710万人という記録を40年ぶりに更新したもの。


6つの醸造所が競うビールの世界

オクトーバーフェストで飲めるビールは、ミュンヘンの公式6醸造所のものだけと決まっています。Augustiner(アウグスティーナー)・Paulaner(パウラーナー)・Löwenbräu(レーヴェンブロイ)・Hofbräu(ホフブロイ)・Hacker-Pschorr(ハッカー・プショル)・Spaten(シュパーテン)。

 

テントごとに「個性」が全然違う

各醸造所がそれぞれ大テントを持ち、雰囲気も客層もまったく違います。英語の曲が流れて海外観光客でにぎわうホフブロイ、天井に夏空の壁画が描かれた「バイエルンの天国」こと ハッカー・プショル、毎年市長が樽を開けて「O'zapft is!(樽が開いた!)」と宣言するシュパーテンのテント……。どのテントに入るかで、体験が全然変わります。

地元のミュンヘン市民が特に愛するテントがアウグスティーナーです。理由は後ほど。

 

アウグスティーナーだけが木樽を使い続けるのはなぜ?

他の5社が全社スチールタンクに移行した中で、アウグスティーナーだけが今も**オーク材の木樽「ヒルシュ(鹿)」**でビールを提供しています。200リットルの木樽は、テント内に設けた高さ約25メートルの冷蔵タワー「Kühlturm」に55本保管され、ガラス張りのエレベーターで運び出される。毎夜回収して翌朝フレッシュに搬入するサイクルを繰り返す。そのこだわりが地元ミュンヘン市民に愛される理由のひとつです。

なぜアウグスティーナーだけが木樽を守り続けているのか、その背景にある醸造哲学については次回の訪問記で詳しく語ります。

なお、オクトーバーフェストのビールといえば昔は琥珀色のメルツェンが定番でした。それがなぜ今の淡いヘレス系「フェストビール」に変わっていったのか。その話はラガー(メルツェン)解説コラムと、このシリーズの別の回で詳しく書く予定です。


ソーセージだけじゃない、本場の食べ物

「オクトーバーフェストの食べ物=ソーセージ」と思っていませんか?実は定番メニューはもっと豊かです。

一度は食べたい定番メニュー

炭火で丸ごと焼いた半羽チキン**Hendl(ヘンドル)**は会場の名物。皮はカリカリ、中はジューシーで、各テントが質を競い合っています(2024年時点で1羽17〜24ユーロほど)。

塩味のプレッツェルパン**Brezn(ブレッツェル)に、カマンベールチーズのペーストObatzda(オバツダ)**を塗るのが定番の食べ方です。

豚のスネ肉を塩漬けにして焼いた**Schweinshaxn(シュヴァインスハクセン)は、1本で大満足のボリューム感。そして意外と知られていないのが、バイエルンでは白ビールと一緒に朝食として食べるWeißwurst(ヴァイスヴルスト)**の文化。「正午前にしか食べてはいけない」という謎ルールがあったりもします。


料理とビールのペアリングはヴァイツェンとヴァイスヴルストのコラムでも詳しく紹介しています。私たちが現地で実際に食べた話は、訪問記シリーズでお伝えします。


「伝統衣装」ディルンドルは、実は最近できた文化だった

オクトーバーフェストといえば、女性の**Dirndl(ディルンドル)と男性のLederhosen(レーダーホーゼン)**ですよね。でも実は、あの服装が広まったのはごく最近の話なんです。

19世紀の写真や絵を見ると、来場者はフロックコートにシルクハット、あるいは当時流行のドレス姿。農村の作業着だったディルンドルは「田舎くさい」と都市民に敬遠されていました。

転機は1990年代。若い世代がディルンドルをパーティファッションとして再発見し、2000年代に入ってからトレンドが定着したもの。「伝統衣装」だと思っていたものが、実は30年ほどの比較的新しい習慣だったりします。

服装に正解はありませんが、「伝統」の来歴を知ると見え方が少し変わって面白いですよね。


日本でもオクトーバーフェストを楽しもう

本場ミュンヘンに行けなくても、日本でオクトーバーフェストの雰囲気を味わえる機会はあります。横浜赤レンガ倉庫・東京・大阪など、毎年秋に各地でイベントが開催されます。

シュマッツで楽しむ本場ドイツビール

シュマッツのレストランでも、ドイツから直輸入したビールをお楽しみいただけます。ドイツビールについてもっと詳しく知りたくなったら、まず「ドイツビールって何だろう?」を読んでみてください。オクトーバーフェストで飲まれるビールのスタイルも、ここを読むと理解がぐっと深まります。

シュマッツのレストランへの予約・店舗情報はこちら

自宅でオクトーバーフェスト気分を楽しみたい方には、オンラインショップでドイツ直輸入ビールをお届けしています。本場の雰囲気を、ご自宅でぜひ。

歴史・規模・ビール・料理・文化──オクトーバーフェストをざっとご紹介しました。

次回からはいよいよ、私たちが実際にミュンヘンを歩いた「訪問記」シリーズをお届けします。

6大テントを飲み比べてみて感じたこと、アウグスティーナーのあの木樽タワーを前にして驚いたこと、会場を支える人たちのリアル──ガイドブックには載っていない話を、できるだけ正直にお伝えしていきます。

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