コラム
6万人のビール祭りに飛び込んで気づいたこと──世界最大のイベントのリアルな姿【オクトーバーフェ...
6万人のビール祭りに飛び込んで気づいたこと──世界最大のイベントのリアルな姿【オクトーバーフェスト訪問記①】 ミュンヘンに行ってきました。 想像の20倍くらいすごかったです。これが正直な感想です。 「650万人が16日間で集まる」という数字は事前に知っていました。でも数字って不思議で、頭でわかっていても体に入ってこない。テレージエンヴィーゼ(Theresienwiese)に実際に足を踏み入れるまでは、本当の意味でわかっていなかったんだと思います。 今回から数回にわけて、私たちシュマッツスタッフが現地で見て・感じたことをそのままお伝えします。 地下鉄を降りた瞬間、もう別の世界だった ミュンヘン中央駅(ハウプトバーンホフ)から地下鉄に乗って3駅。テレージエンヴィーゼ駅を降りると、改札を出た瞬間から空気が変わります。 正確には、電車に乗り込んだ時点からすでに変わっていました。駅ごとに、民族衣装を着た人がどんどん増えていく。青いワンピースのディルンドル、革のパンツのレーダーホーゼン。みんなどこか楽しそうで、電車の中からじわじわと気分が上がっていきます。 ちなみにミュンヘン中央駅から歩いても約15分。標識も出ているので迷う心配はありません。ただ、人の波に飲み込まれながら歩くことになります(笑)。 「広い」ってこういうことか、と思った 会場の総面積は42ヘクタール。東京ドーム約9個分です。 「ふんふん」と聞き流せそうですよね。私たちも最初はそうでした。でも実際に立ってみると、端から端まで約1.2km。歩いても歩いても「まだある」という感覚が続きます。 テントが14棟、合計席数が11万席を超える その広大な敷地の中に、大きなビールテントが14棟、ずらりと建ち並んでいます。大テント1棟だけで6,000〜10,000席。最大のホフブロイ・フェストゥツェルトで約10,000席です。 日本で10,000席の会場といえばドームクラスの話ですよね。それが「テント」で、それが14棟ある。小テントも合わせると会場全体の総席数は11万席を超えます。この規模が16日間、毎日稼働しているわけです。 16日間でなんと670万人が来場する 2024年の来場者数は670万人(出典:ミュンヘン市公式 muenchen.de)。1日平均で40万人を超えます。 週末の昼下がりに現地にいると、「どこを見ても人、人、人」という状態で、視界が人で埋まっています。日本のイベントではこの広さとこの人ごみの密度は、なかなか体験できません。 テントの中へ──6,000人が同じタイミングでジョッキを掲げる 扉を開けると、熱気と音楽と笑い声が一気に押し寄せます。天井まで届く木の柱、揺れる照明。ほぼ全員が、1リットルの大きなジョッキ「マス(Maß)」を両手で持って飲んでいます。 「Ein Prosit!」──全員が同じタイミングで動く しばらくすると、バンドの演奏が止まって誰かが叫ぶんです。「アイン・プロジット(Ein Prosit)!」──乾杯、という意味です。 すると6,000人が一斉にジョッキを高く掲げる。ドイツ語がわからなくても、周りを見ていれば自然と体が動きます。私たちも気づいたら一緒にジョッキを上げていました。笑いながら。あの一体感、ちょっと言葉にできません。 席を「取る」が最初のミッション...
6万人のビール祭りに飛び込んで気づいたこと──世界最大のイベントのリアルな姿【オクトーバーフェ...
6万人のビール祭りに飛び込んで気づいたこと──世界最大のイベントのリアルな姿【オクトーバーフェスト訪問記①】 ミュンヘンに行ってきました。 想像の20倍くらいすごかったです。これが正直な感想です。 「650万人が16日間で集まる」という数字は事前に知っていました。でも数字って不思議で、頭でわかっていても体に入ってこない。テレージエンヴィーゼ(Theresienwiese)に実際に足を踏み入れるまでは、本当の意味でわかっていなかったんだと思います。 今回から数回にわけて、私たちシュマッツスタッフが現地で見て・感じたことをそのままお伝えします。 地下鉄を降りた瞬間、もう別の世界だった ミュンヘン中央駅(ハウプトバーンホフ)から地下鉄に乗って3駅。テレージエンヴィーゼ駅を降りると、改札を出た瞬間から空気が変わります。 正確には、電車に乗り込んだ時点からすでに変わっていました。駅ごとに、民族衣装を着た人がどんどん増えていく。青いワンピースのディルンドル、革のパンツのレーダーホーゼン。みんなどこか楽しそうで、電車の中からじわじわと気分が上がっていきます。 ちなみにミュンヘン中央駅から歩いても約15分。標識も出ているので迷う心配はありません。ただ、人の波に飲み込まれながら歩くことになります(笑)。 「広い」ってこういうことか、と思った 会場の総面積は42ヘクタール。東京ドーム約9個分です。 「ふんふん」と聞き流せそうですよね。私たちも最初はそうでした。でも実際に立ってみると、端から端まで約1.2km。歩いても歩いても「まだある」という感覚が続きます。 テントが14棟、合計席数が11万席を超える その広大な敷地の中に、大きなビールテントが14棟、ずらりと建ち並んでいます。大テント1棟だけで6,000〜10,000席。最大のホフブロイ・フェストゥツェルトで約10,000席です。 日本で10,000席の会場といえばドームクラスの話ですよね。それが「テント」で、それが14棟ある。小テントも合わせると会場全体の総席数は11万席を超えます。この規模が16日間、毎日稼働しているわけです。 16日間でなんと670万人が来場する 2024年の来場者数は670万人(出典:ミュンヘン市公式 muenchen.de)。1日平均で40万人を超えます。 週末の昼下がりに現地にいると、「どこを見ても人、人、人」という状態で、視界が人で埋まっています。日本のイベントではこの広さとこの人ごみの密度は、なかなか体験できません。 テントの中へ──6,000人が同じタイミングでジョッキを掲げる 扉を開けると、熱気と音楽と笑い声が一気に押し寄せます。天井まで届く木の柱、揺れる照明。ほぼ全員が、1リットルの大きなジョッキ「マス(Maß)」を両手で持って飲んでいます。 「Ein Prosit!」──全員が同じタイミングで動く しばらくすると、バンドの演奏が止まって誰かが叫ぶんです。「アイン・プロジット(Ein Prosit)!」──乾杯、という意味です。 すると6,000人が一斉にジョッキを高く掲げる。ドイツ語がわからなくても、周りを見ていれば自然と体が動きます。私たちも気づいたら一緒にジョッキを上げていました。笑いながら。あの一体感、ちょっと言葉にできません。 席を「取る」が最初のミッション...
オクトーバーフェストとは?歴史・ビール・料理・本場の楽しみ方までご案内
オクトーバーフェストとは?歴史・ビール・料理・本場の楽しみ方までご案内 世界最大のビール祭り「オクトーバーフェスト」の歴史・起源・6大醸造所・定番料理まで完全解説。実際にミュンヘンを訪れたシュマッツが、ガイドブックには載っていない本場の姿をお伝えします。 秋になると、ミュンヘンから不思議なニュースが届きます。650万人が集まり、16日間で650万リットルのビールが飲まれる。スタッフだけで1万3千人。ビール1杯が約2,500円。 「いったいどんな祭りなんだ……」と気になり続けていた私たちシュマッツメンバー4名も、昨年ついにミュンヘンのオクトーバーフェストに行ってきました。現地で驚いたことは山ほどあって、その話は次回から「訪問記」シリーズとして詳しくお伝えするつもりです。まずはこの記事で、オクトーバーフェストの全体像を掴んでもらえれば! 1810年、一人の花嫁の名前から始まった オクトーバーフェストが生まれたのは、1810年10月17日のことです。 バイエルン王国の皇太子ルートヴィヒ(後のルートヴィヒ1世)が結婚した記念に、ミュンヘン郊外の草原で競馬大会が開かれました。なんと約4万人の市民が集まって盛大に祝ったといいます。 「テレーゼの草地」という名前の由来 この草原に、バイエルン王マクシミリアン1世が名前をつけました。「この場所を、花嫁テレーゼへの敬意を込めて"テレーゼの草地"と呼ぼう」──それが今も残る「テレージエンヴィーゼ(Theresienwiese)」の由来です。ミュンヘン市民には「ヴィースン(Wiesn)」と略して呼ばれ、200年以上たった今もその名前は変わっていません。 翌年からは農業品評会が加わり、やがて娯楽施設も増え、大手醸造所が大型テントを建て始め──今の形になるまで200年かかっているわけです。 ちなみに、最初のきっかけとなった競馬大会はなんと1960年まで続いていました。ビール祭りとして定着した今では想像しにくいですが、実は一世紀半にわたって馬が走っていた。そんな意外な歴史もオクトーバーフェストの面白さです。 戦争もコロナも乗り越えて、今年で191回目 200年の歴史の中で、オクトーバーフェストは約24回中止されてきました。戦争・コレラの流行・ハイパーインフレーション、そして記憶に新しい2020〜2021年のコロナによる2年連続中止。1813年以来最長のブランクでした。それでも毎回復活してきた祭りが、2026年で第191回目を迎えます。 なぜ「10月祭」なのに9月に始まるの? 「Oktoberfest(10月のお祭り)なのに、なぜ9月から始まるの?」 これ、多くの方がひっかかるポイントですよね。答えはシンプルで、ミュンヘンの10月の天気が悪いからです。 答えは1872年の「吹雪」にある 記録によれば、1829年の開催中には突然の吹雪でテントが全閉鎖に追い込まれたこともあります。一方で9月末には「インディアンサマー(Altweibersommer)」と呼ばれる穏やかな晴天が続く。それならいっそ早めよう、ということで1872年に開幕が9月に変更されました。 「10月祭」という名前だけが残り、中身は9月に移った。なんとも実用的な理由ですが、それがドイツらしい(笑)。 現在のルールでは「9月第3土曜日に開幕、10月第1日曜日または10月3日のいずれか遅い方で閉幕」。**2026年は9月19日(土)〜10月4日(日)**の16日間です。 その規模、想像を超えてくる 正直に言うと、現地に行くまで「大きなビール祭りね」くらいにしか思っていませんでした。でも実際に会場に足を踏み入れた瞬間、考えが変わりました。 650万人・42ヘクタール・38棟のテント テレージエンヴィーゼの広さは42ヘクタール(東京ドーム約9個分)。そこに大テント14棟・小テント21棟が並び、総座席数は約12万席。2025年の実績では16日間で650万人が来場し、650万リットルのビールが消費されました。史上最高は2023年の720万人で、これは1985年の710万人という記録を40年ぶりに更新したもの。 6つの醸造所が競うビールの世界 オクトーバーフェストで飲めるビールは、ミュンヘンの公式6醸造所のものだけと決まっています。Augustiner(アウグスティーナー)・Paulaner(パウラーナー)・Löwenbräu(レーヴェンブロイ)・Hofbräu(ホフブロイ)・Hacker-Pschorr(ハッカー・プショル)・Spaten(シュパーテン)。 ...
オクトーバーフェストとは?歴史・ビール・料理・本場の楽しみ方までご案内
オクトーバーフェストとは?歴史・ビール・料理・本場の楽しみ方までご案内 世界最大のビール祭り「オクトーバーフェスト」の歴史・起源・6大醸造所・定番料理まで完全解説。実際にミュンヘンを訪れたシュマッツが、ガイドブックには載っていない本場の姿をお伝えします。 秋になると、ミュンヘンから不思議なニュースが届きます。650万人が集まり、16日間で650万リットルのビールが飲まれる。スタッフだけで1万3千人。ビール1杯が約2,500円。 「いったいどんな祭りなんだ……」と気になり続けていた私たちシュマッツメンバー4名も、昨年ついにミュンヘンのオクトーバーフェストに行ってきました。現地で驚いたことは山ほどあって、その話は次回から「訪問記」シリーズとして詳しくお伝えするつもりです。まずはこの記事で、オクトーバーフェストの全体像を掴んでもらえれば! 1810年、一人の花嫁の名前から始まった オクトーバーフェストが生まれたのは、1810年10月17日のことです。 バイエルン王国の皇太子ルートヴィヒ(後のルートヴィヒ1世)が結婚した記念に、ミュンヘン郊外の草原で競馬大会が開かれました。なんと約4万人の市民が集まって盛大に祝ったといいます。 「テレーゼの草地」という名前の由来 この草原に、バイエルン王マクシミリアン1世が名前をつけました。「この場所を、花嫁テレーゼへの敬意を込めて"テレーゼの草地"と呼ぼう」──それが今も残る「テレージエンヴィーゼ(Theresienwiese)」の由来です。ミュンヘン市民には「ヴィースン(Wiesn)」と略して呼ばれ、200年以上たった今もその名前は変わっていません。 翌年からは農業品評会が加わり、やがて娯楽施設も増え、大手醸造所が大型テントを建て始め──今の形になるまで200年かかっているわけです。 ちなみに、最初のきっかけとなった競馬大会はなんと1960年まで続いていました。ビール祭りとして定着した今では想像しにくいですが、実は一世紀半にわたって馬が走っていた。そんな意外な歴史もオクトーバーフェストの面白さです。 戦争もコロナも乗り越えて、今年で191回目 200年の歴史の中で、オクトーバーフェストは約24回中止されてきました。戦争・コレラの流行・ハイパーインフレーション、そして記憶に新しい2020〜2021年のコロナによる2年連続中止。1813年以来最長のブランクでした。それでも毎回復活してきた祭りが、2026年で第191回目を迎えます。 なぜ「10月祭」なのに9月に始まるの? 「Oktoberfest(10月のお祭り)なのに、なぜ9月から始まるの?」 これ、多くの方がひっかかるポイントですよね。答えはシンプルで、ミュンヘンの10月の天気が悪いからです。 答えは1872年の「吹雪」にある 記録によれば、1829年の開催中には突然の吹雪でテントが全閉鎖に追い込まれたこともあります。一方で9月末には「インディアンサマー(Altweibersommer)」と呼ばれる穏やかな晴天が続く。それならいっそ早めよう、ということで1872年に開幕が9月に変更されました。 「10月祭」という名前だけが残り、中身は9月に移った。なんとも実用的な理由ですが、それがドイツらしい(笑)。 現在のルールでは「9月第3土曜日に開幕、10月第1日曜日または10月3日のいずれか遅い方で閉幕」。**2026年は9月19日(土)〜10月4日(日)**の16日間です。 その規模、想像を超えてくる 正直に言うと、現地に行くまで「大きなビール祭りね」くらいにしか思っていませんでした。でも実際に会場に足を踏み入れた瞬間、考えが変わりました。 650万人・42ヘクタール・38棟のテント テレージエンヴィーゼの広さは42ヘクタール(東京ドーム約9個分)。そこに大テント14棟・小テント21棟が並び、総座席数は約12万席。2025年の実績では16日間で650万人が来場し、650万リットルのビールが消費されました。史上最高は2023年の720万人で、これは1985年の710万人という記録を40年ぶりに更新したもの。 6つの醸造所が競うビールの世界 オクトーバーフェストで飲めるビールは、ミュンヘンの公式6醸造所のものだけと決まっています。Augustiner(アウグスティーナー)・Paulaner(パウラーナー)・Löwenbräu(レーヴェンブロイ)・Hofbräu(ホフブロイ)・Hacker-Pschorr(ハッカー・プショル)・Spaten(シュパーテン)。 ...
シュマッツのボトルに傷がある理由──ドイツから旅してきたビール瓶ならではの事情
シュマッツのボトルに傷がある理由──ドイツから旅してきたビール瓶ならではの事情 シュマッツのボトルに小さな傷がある理由、気になったことはありませんか?ドイツの成熟したエコ文化と、瓶が旅してきたストーリーをご紹介。ビール ボトル ギフトを贈る前にぜひ読んでみてください。 シュマッツのビールを受け取ったとき、ボトルの表面に小さな傷を見つけて「あれ?」と思ったことはありませんか?ラベルが少し剥がれかけていて、ちょっと心配になった方もいるかもしれません。 でも実は、その傷にもラベルにも、ちゃんとした理由があります。知ると思わず誰かに話したくなる、ドイツのビール文化の話です。飲み終わった後のビールボトルの活用法についてもご紹介します。 ■ そのボトルの傷、実はドイツからの贈り物 シュマッツのスタッフも、お客様から「ボトルに傷がついていたんだけど…」とご連絡をいただくことがあります。初めて見ると「不良品かな?」と思うのも自然なこと。でも聞いてください。その傷はボトルが"旅をしてきた証"なんです。 なぜ旅をするのか。それはシュマッツのビール瓶が、ドイツで当たり前に運用されているリターナブルボトル(再利用ボトル)だから。飲み終わったら捨てるのではなく、回収されて、洗浄されて、また新しいビールを詰めて誰かの手元へ届く。そんなサイクルをくり返す中で、ボトルはじわじわと傷を重ねていくんです。 ■ ドイツのビールは、なんと9割以上が瓶 まず少し驚く話から。日本ではコンビニやスーパーに缶ビールが山積みになっていますよね。でもドイツは全然違います。ドイツのビール市場では約9割が瓶ビール。缶は少数派で、瓶こそがビールの"当たり前の姿"なんです。 ▼ 瓶文化の根っこにあるのはエコへの本気 その背景にあるのが、ドイツ人の環境意識の高さです。ドイツでは瓶ビールのほとんどがMehrwegflasche(メアヴェークフラッシェ)と呼ばれるリターナブルボトルとして設計されています。"mehrweg"はドイツ語で「何度も使える」という意味。瓶は一度使って終わりではなく、何度も何度も洗浄・再充填されながら、社会の中をぐるぐると循環し続けます。 ▼ 街の日常に瓶ビールが溶け込んでいる ドイツを訪れると、駅前のベンチや広場で、友人とボトルを片手にカジュアルに乾杯している人たちをよく目にします。グラスもテーブルも要らない、ボトルそのままで気軽に一杯やっている。それが特別な場面ではなく、ごくごく普通の日常の風景なんです。瓶ビールとドイツ人の距離の近さに、本場のビール文化の深さを感じずにはいられません。 ■ Pfand(プファント)── ボトルを旅させるしくみ このリターナブル文化を支えているのが、Pfand(プファント)と呼ばれるデポジット制度です。 ▼ 仕組みはシンプル、でも徹底されている ドイツでビールを買うとき、商品代金にプラスしてビール1本あたり8セント(約13円)のPfandが上乗せされます。飲み終わったら空き瓶をスーパーの回収機に入れるだけで、8セントが返ってくる。このシンプルな仕組みが全国約13万5,000か所で機能していて、ボトルはほぼ確実に回収・再利用の旅へと戻っていきます。 道端や公園に空き瓶が捨てられているのを見かけないのも、このシステムのおかげ。もし落ちていても、Pfandを目当てにすかさず拾ってくれる人がいるくらい、この制度はドイツ社会に深く根付いています。 ▼...
シュマッツのボトルに傷がある理由──ドイツから旅してきたビール瓶ならではの事情
シュマッツのボトルに傷がある理由──ドイツから旅してきたビール瓶ならではの事情 シュマッツのボトルに小さな傷がある理由、気になったことはありませんか?ドイツの成熟したエコ文化と、瓶が旅してきたストーリーをご紹介。ビール ボトル ギフトを贈る前にぜひ読んでみてください。 シュマッツのビールを受け取ったとき、ボトルの表面に小さな傷を見つけて「あれ?」と思ったことはありませんか?ラベルが少し剥がれかけていて、ちょっと心配になった方もいるかもしれません。 でも実は、その傷にもラベルにも、ちゃんとした理由があります。知ると思わず誰かに話したくなる、ドイツのビール文化の話です。飲み終わった後のビールボトルの活用法についてもご紹介します。 ■ そのボトルの傷、実はドイツからの贈り物 シュマッツのスタッフも、お客様から「ボトルに傷がついていたんだけど…」とご連絡をいただくことがあります。初めて見ると「不良品かな?」と思うのも自然なこと。でも聞いてください。その傷はボトルが"旅をしてきた証"なんです。 なぜ旅をするのか。それはシュマッツのビール瓶が、ドイツで当たり前に運用されているリターナブルボトル(再利用ボトル)だから。飲み終わったら捨てるのではなく、回収されて、洗浄されて、また新しいビールを詰めて誰かの手元へ届く。そんなサイクルをくり返す中で、ボトルはじわじわと傷を重ねていくんです。 ■ ドイツのビールは、なんと9割以上が瓶 まず少し驚く話から。日本ではコンビニやスーパーに缶ビールが山積みになっていますよね。でもドイツは全然違います。ドイツのビール市場では約9割が瓶ビール。缶は少数派で、瓶こそがビールの"当たり前の姿"なんです。 ▼ 瓶文化の根っこにあるのはエコへの本気 その背景にあるのが、ドイツ人の環境意識の高さです。ドイツでは瓶ビールのほとんどがMehrwegflasche(メアヴェークフラッシェ)と呼ばれるリターナブルボトルとして設計されています。"mehrweg"はドイツ語で「何度も使える」という意味。瓶は一度使って終わりではなく、何度も何度も洗浄・再充填されながら、社会の中をぐるぐると循環し続けます。 ▼ 街の日常に瓶ビールが溶け込んでいる ドイツを訪れると、駅前のベンチや広場で、友人とボトルを片手にカジュアルに乾杯している人たちをよく目にします。グラスもテーブルも要らない、ボトルそのままで気軽に一杯やっている。それが特別な場面ではなく、ごくごく普通の日常の風景なんです。瓶ビールとドイツ人の距離の近さに、本場のビール文化の深さを感じずにはいられません。 ■ Pfand(プファント)── ボトルを旅させるしくみ このリターナブル文化を支えているのが、Pfand(プファント)と呼ばれるデポジット制度です。 ▼ 仕組みはシンプル、でも徹底されている ドイツでビールを買うとき、商品代金にプラスしてビール1本あたり8セント(約13円)のPfandが上乗せされます。飲み終わったら空き瓶をスーパーの回収機に入れるだけで、8セントが返ってくる。このシンプルな仕組みが全国約13万5,000か所で機能していて、ボトルはほぼ確実に回収・再利用の旅へと戻っていきます。 道端や公園に空き瓶が捨てられているのを見かけないのも、このシステムのおかげ。もし落ちていても、Pfandを目当てにすかさず拾ってくれる人がいるくらい、この制度はドイツ社会に深く根付いています。 ▼...
ドイツビールの選び方を知ると、ビールが変わる──スタイル・色・季節から読み解く、面白すぎる醸造の世界
ドイツビールの選び方を知ると、ビールが変わる──スタイル・色・季節から読み解く、面白すぎる醸造の世界 ドイツビールの選び方ってなんか難しそう?実は知るほど面白いエピソードだらけです。ヘレスは「裏切り者」と呼ばれた歴史があり、ライン川を越えたビールの闘いが今でも続いている。スタイル・色・季節で読み解くガイド。 「ドイツビールって種類が多くてなんか難しそう…」と思っていませんか?わかります!でも実は知れば知るほど、面白いエピソードだらけなんです。今回はドイツビールの選び方を、難しい専門用語ではなく「なるほど!」な物語でお届けします。気軽に読んでみてください! ◎ドイツビールが「種類で選ぶもの」である理由 日本の居酒屋で「とりあえずビール!」と注文するとき、ジョッキか瓶かを指定することはあっても「スタイル」や「銘柄」まで意識することは少ないですよね。でもドイツでは、ビールを「何系にする?」から考えるのが当たり前なんです! 約1,500もの醸造所、地域ごとに異なるビール文化 ドイツには現在、約1,500の醸造所があります。そしてそれぞれの地域に、独自のビールスタイルとそれを飲むための文化がある。バイエルンにはヴァイツェンとヘレスがあり、フランケンにはラオホビールがあり、北ドイツにはピルスナーがある。旅行でドイツを訪れると、その土地のビールをついつい全部試したくなるのは、この多様性があるからです! ケルンとデュッセルドルフ──隣同士が「違うビール」を飲む理由 特にユニークなのが、ライン川沿いの2都市の話。ケルンの人はケルシュ、デュッセルドルフの人はアルトビールを、それぞれ頑固に飲み続けています。この2つ、実は味わいがかなり似ているんですが、地元民同士は絶対に相手のビールを認めません(笑)。 「ケルシュとアルトはどっちがうまいか」はドイツ人の間では永遠の議論。「ビールで地域を守る」文化が、ドイツのビールを面白くしている理由のひとつですね! ◎まず知っておきたい「2つの系統」 ドイツビールは大きく2つの発酵方法に分かれます。まずここだけ押さえておけば、選び方がグッとラクになります! 【スッキリ・安定のラガー系(Lager)】 ラガーは「低温発酵・低温熟成」で作られるビールです。発酵に使う酵母がタンクの下に沈む方法で、低温でじっくり熟成させるため、味が安定していてクリアでスッキリとした飲み口が生まれます。 ピルスナー、ヘレス、メルツェン、ボック……日本で「ビール」と聞いてイメージするゴールデン系は、ほぼラガーです。「安定感のある飲みやすいビールが好き」な方は、まずラガー系から! 【フルーティー・個性豊かのエール系(Ale)】 エールは「高温発酵」で作られ、酵母がタンクの上に浮かびます。発酵温度が高いので酵母が活発に働き、フルーティーな香りや複雑な味わいが生まれやすい。 ヴァイツェン(白ビール)、ケルシュ、アルトビールがエール系。「なんか個性的な香りがする!」と感じるビールは、たいていエール系です。 ◎最初の一杯におすすめの3スタイル ドイツビールを飲んでみたいけど何から試せばいい?という方に、まず飲んでほしい3スタイルを紹介します! ▶️ ヘレス──1894年に「裏切り者」と呼ばれた黄金ビール ヘレスはミュンヘン生まれの淡色ラガーです。澄んだ黄金色、きめ細かい泡、すっきりとした麦の甘み。「ビールといえばこれ!」な一杯です。 じつはヘレスが生まれた1894年、ミュンヘン市民から「バイエルンの裏切り者」と呼ばれたという逸話があります。当時ミュンヘンの主流は琥珀色のラガーで、北ドイツで流行していた淡色のピルスナーに対抗しようとミュンヘンの醸造所が開発したのがヘレスでした。「北のビールの真似事をして」とバッシングされながらも、今ではバイエルンの定番として定着!「裏切り者」が王道になった話、なんかいいですよね。 シュマッツのヘレスについてはこちら...
ドイツビールの選び方を知ると、ビールが変わる──スタイル・色・季節から読み解く、面白すぎる醸造の世界
ドイツビールの選び方を知ると、ビールが変わる──スタイル・色・季節から読み解く、面白すぎる醸造の世界 ドイツビールの選び方ってなんか難しそう?実は知るほど面白いエピソードだらけです。ヘレスは「裏切り者」と呼ばれた歴史があり、ライン川を越えたビールの闘いが今でも続いている。スタイル・色・季節で読み解くガイド。 「ドイツビールって種類が多くてなんか難しそう…」と思っていませんか?わかります!でも実は知れば知るほど、面白いエピソードだらけなんです。今回はドイツビールの選び方を、難しい専門用語ではなく「なるほど!」な物語でお届けします。気軽に読んでみてください! ◎ドイツビールが「種類で選ぶもの」である理由 日本の居酒屋で「とりあえずビール!」と注文するとき、ジョッキか瓶かを指定することはあっても「スタイル」や「銘柄」まで意識することは少ないですよね。でもドイツでは、ビールを「何系にする?」から考えるのが当たり前なんです! 約1,500もの醸造所、地域ごとに異なるビール文化 ドイツには現在、約1,500の醸造所があります。そしてそれぞれの地域に、独自のビールスタイルとそれを飲むための文化がある。バイエルンにはヴァイツェンとヘレスがあり、フランケンにはラオホビールがあり、北ドイツにはピルスナーがある。旅行でドイツを訪れると、その土地のビールをついつい全部試したくなるのは、この多様性があるからです! ケルンとデュッセルドルフ──隣同士が「違うビール」を飲む理由 特にユニークなのが、ライン川沿いの2都市の話。ケルンの人はケルシュ、デュッセルドルフの人はアルトビールを、それぞれ頑固に飲み続けています。この2つ、実は味わいがかなり似ているんですが、地元民同士は絶対に相手のビールを認めません(笑)。 「ケルシュとアルトはどっちがうまいか」はドイツ人の間では永遠の議論。「ビールで地域を守る」文化が、ドイツのビールを面白くしている理由のひとつですね! ◎まず知っておきたい「2つの系統」 ドイツビールは大きく2つの発酵方法に分かれます。まずここだけ押さえておけば、選び方がグッとラクになります! 【スッキリ・安定のラガー系(Lager)】 ラガーは「低温発酵・低温熟成」で作られるビールです。発酵に使う酵母がタンクの下に沈む方法で、低温でじっくり熟成させるため、味が安定していてクリアでスッキリとした飲み口が生まれます。 ピルスナー、ヘレス、メルツェン、ボック……日本で「ビール」と聞いてイメージするゴールデン系は、ほぼラガーです。「安定感のある飲みやすいビールが好き」な方は、まずラガー系から! 【フルーティー・個性豊かのエール系(Ale)】 エールは「高温発酵」で作られ、酵母がタンクの上に浮かびます。発酵温度が高いので酵母が活発に働き、フルーティーな香りや複雑な味わいが生まれやすい。 ヴァイツェン(白ビール)、ケルシュ、アルトビールがエール系。「なんか個性的な香りがする!」と感じるビールは、たいていエール系です。 ◎最初の一杯におすすめの3スタイル ドイツビールを飲んでみたいけど何から試せばいい?という方に、まず飲んでほしい3スタイルを紹介します! ▶️ ヘレス──1894年に「裏切り者」と呼ばれた黄金ビール ヘレスはミュンヘン生まれの淡色ラガーです。澄んだ黄金色、きめ細かい泡、すっきりとした麦の甘み。「ビールといえばこれ!」な一杯です。 じつはヘレスが生まれた1894年、ミュンヘン市民から「バイエルンの裏切り者」と呼ばれたという逸話があります。当時ミュンヘンの主流は琥珀色のラガーで、北ドイツで流行していた淡色のピルスナーに対抗しようとミュンヘンの醸造所が開発したのがヘレスでした。「北のビールの真似事をして」とバッシングされながらも、今ではバイエルンの定番として定着!「裏切り者」が王道になった話、なんかいいですよね。 シュマッツのヘレスについてはこちら...
ヴァイツェングラスのくびれには、ちゃんと理由があった──父の日のビールギフトにグラスを添える話
ヴァイツェングラスのくびれには、ちゃんと理由があった ──父の日のビールギフトにグラスを添える話 同じビールでも、グラスが変わると味も香りも別物になります。ヴァイツェングラスの独特の形の意味と、バイエルン式「三度注ぎ」の話。父の日ビールギフトにグラスを添えると、体験ごと届けられます! --- ビールって、グラスで変わるって知っていましたか?同じビールを缶からそのまま飲むのと、ヴァイツェングラスに注いで飲むのとでは、香りも口当たりも全然違います。「気のせいじゃないの?」と思いますよね。でも科学的にもちゃんと説明できる話なんです! 今回は父の日のビールギフトに絡めて、グラスとビールの面白い関係をお伝えします。 --- 1.グラスの形には、科学的な意味がある 「グラスを変えるとビールの味が変わる」のは、気分や思い込みの話ではありません。グラスの形が持つ設計が、ビールの香り・炭酸・泡を物理的に変えているんです! 2. ヴァイツェングラスは「もち泡」を作るための設計だった シュマッツでは、ヴァイツェンをグラスに注いだときにできる、きめ細かくふわふわと盛り上がる泡のことを「もち泡」と呼んでいます。飲む前からずっとそこにいてくれる、あの白いもちもちとした泡です。 バイエルンでは、このもち泡が立派かどうかでビールの提供品質が判断されます。泡が少ない・すぐ消えるのは「うまく提供できていない」という評価になる。そしてヴァイツェングラスのあの独特な形は、このもち泡を美しく安定して作るために設計されているんです! グラスの下部が細くなっていることで、CO₂(二酸化炭素)が上昇する距離が長くなります。その過程でビール内のバナナのような甘い香りやクローブのようなスパイシーな香りがゆっくり溶け出し、上部でラッパ状に広がったグラスが香りを閉じ込めて鼻全体に届ける。「あのくびれ、全部計算された設計だった」は、なかなかの「へぇ」ですよね! 3. ヴァイツェンの炭酸はそもそも多い 実はヴァイツェンは、ラガーやピルスナーに比べてCO₂の量が多いビールです。一般的な数値で比べると、ヴァイツェンはラガーの約1.5倍近くの炭酸量があります。ヴァイツェンは炭酸がとにかく豊か。それがあのもち泡の豊かさにもつながっています。 だからこそ、背の高いグラスが必要なんです!CO₂が長い距離をかけてゆっくり上昇することで、一気に炭酸が抜けずに済む。低くて広いグラスに注いだら、すぐ炭酸が飛んでしまいます。「グラスの高さ」にはちゃんと理由がありました。 4.缶で飲むのとグラスで飲むのが全然違う理由 「ヴァイツェンを買ったけど、家で缶のままそのまま飲んでいます」という方は多いと思います。でも正直に言うと、それは体験の半分も楽しめていないかもしれません! ビールの香りの大半は「アロマ成分が揮発して鼻に届くこと」で感じられます。缶や瓶の飲み口は狭く、香り成分が広がる前に口に入ってしまう。でもヴァイツェングラスの上部はラッパ状に広がっているので、バナナのような香りやクローブのような香りが十分に揮発してから鼻を通ります。「同じビールなのにグラスだと全然違う!」は科学的にも正しい体験です。 5. バイエルンでは、ヴァイツェンとヴァイツェングラスは切り離せない シュマッツのビールのルーツはバイエルン。バイエルンのビール文化を特徴づけることのひとつが、ヴァイツェン(白ビール)への深いこだわりです。そして、ヴァイツェンを飲むならヴァイツェングラス──これはバイエルンの人たちにとって当たり前のことです。 6....
ヴァイツェングラスのくびれには、ちゃんと理由があった──父の日のビールギフトにグラスを添える話
ヴァイツェングラスのくびれには、ちゃんと理由があった ──父の日のビールギフトにグラスを添える話 同じビールでも、グラスが変わると味も香りも別物になります。ヴァイツェングラスの独特の形の意味と、バイエルン式「三度注ぎ」の話。父の日ビールギフトにグラスを添えると、体験ごと届けられます! --- ビールって、グラスで変わるって知っていましたか?同じビールを缶からそのまま飲むのと、ヴァイツェングラスに注いで飲むのとでは、香りも口当たりも全然違います。「気のせいじゃないの?」と思いますよね。でも科学的にもちゃんと説明できる話なんです! 今回は父の日のビールギフトに絡めて、グラスとビールの面白い関係をお伝えします。 --- 1.グラスの形には、科学的な意味がある 「グラスを変えるとビールの味が変わる」のは、気分や思い込みの話ではありません。グラスの形が持つ設計が、ビールの香り・炭酸・泡を物理的に変えているんです! 2. ヴァイツェングラスは「もち泡」を作るための設計だった シュマッツでは、ヴァイツェンをグラスに注いだときにできる、きめ細かくふわふわと盛り上がる泡のことを「もち泡」と呼んでいます。飲む前からずっとそこにいてくれる、あの白いもちもちとした泡です。 バイエルンでは、このもち泡が立派かどうかでビールの提供品質が判断されます。泡が少ない・すぐ消えるのは「うまく提供できていない」という評価になる。そしてヴァイツェングラスのあの独特な形は、このもち泡を美しく安定して作るために設計されているんです! グラスの下部が細くなっていることで、CO₂(二酸化炭素)が上昇する距離が長くなります。その過程でビール内のバナナのような甘い香りやクローブのようなスパイシーな香りがゆっくり溶け出し、上部でラッパ状に広がったグラスが香りを閉じ込めて鼻全体に届ける。「あのくびれ、全部計算された設計だった」は、なかなかの「へぇ」ですよね! 3. ヴァイツェンの炭酸はそもそも多い 実はヴァイツェンは、ラガーやピルスナーに比べてCO₂の量が多いビールです。一般的な数値で比べると、ヴァイツェンはラガーの約1.5倍近くの炭酸量があります。ヴァイツェンは炭酸がとにかく豊か。それがあのもち泡の豊かさにもつながっています。 だからこそ、背の高いグラスが必要なんです!CO₂が長い距離をかけてゆっくり上昇することで、一気に炭酸が抜けずに済む。低くて広いグラスに注いだら、すぐ炭酸が飛んでしまいます。「グラスの高さ」にはちゃんと理由がありました。 4.缶で飲むのとグラスで飲むのが全然違う理由 「ヴァイツェンを買ったけど、家で缶のままそのまま飲んでいます」という方は多いと思います。でも正直に言うと、それは体験の半分も楽しめていないかもしれません! ビールの香りの大半は「アロマ成分が揮発して鼻に届くこと」で感じられます。缶や瓶の飲み口は狭く、香り成分が広がる前に口に入ってしまう。でもヴァイツェングラスの上部はラッパ状に広がっているので、バナナのような香りやクローブのような香りが十分に揮発してから鼻を通ります。「同じビールなのにグラスだと全然違う!」は科学的にも正しい体験です。 5. バイエルンでは、ヴァイツェンとヴァイツェングラスは切り離せない シュマッツのビールのルーツはバイエルン。バイエルンのビール文化を特徴づけることのひとつが、ヴァイツェン(白ビール)への深いこだわりです。そして、ヴァイツェンを飲むならヴァイツェングラス──これはバイエルンの人たちにとって当たり前のことです。 6....
お父さんはどのタイプ?ビールを性格に見立てて楽しむ、父の日のドイツビールギフト
お父さんはどのタイプ?ビールを性格に見立てて楽しむ、父の日のドイツビールギフト 今年の父の日は、ビールを「人間の性格」に見立てて選んでみませんか?本場ドイツの豊かなビール文化のエピソードを交えながら、4つの個性的なビアスタイルを飲み比べできる、シュマッツのギフトセットの魅力をご紹介します。 父の日の贈り物として定番の「ビールギフト」。毎年なんとなく選んでしまっているという方も多いのではないでしょうか。今年は少し視点を変えて、ビールを「人間の性格」に見立てて、その豊かな個性を味わう面白さをプレゼントしてみませんか? 実は本場ドイツでは、ビールは単なる飲み物ではなく、その人のアイデンティティを映し出す鏡のような存在。多種多様なビアスタイルがあるからこそ、まるで性格診断ができてしまうほど、それぞれに際立った個性があるのです。 今回は、ドイツの深いビール文化を紐解きながら、ビールの個性を味わう新しいギフトの楽しみ方をご紹介します。 ドイツビールは個性の宝庫!飲むビールで「人」がわかる? ドイツには約1,500もの醸造所があり、そのうちの半数近くが南部のバイエルン州に集中しています。「地元のビールを飲むことは、そこへの帰属を意味する」とされており、どのビールを選ぶかは、味の好み以上に「自分が何者であるか」を語る重要な要素です。 たとえば、ケルン地方には「ケルシュは飲める唯一の言語である」という有名なことわざがあります。「ケルシュ」という言葉が地元の方言とビールの両方を意味するためです。また、ケルン(ケルシュ)と隣街デュッセルドルフ(アルトビール)の間には、何百年にもわたるライバル関係が存在します。 ある大学が目隠しテストを行ったところ、参加者が自分の街のビールを正確に当てられたのはわずか55%(ほぼ偶然と同じ確率)でした。この結果から、「味の問題というより、イデオロギー(信条)の問題である」と結論づけられたほどです。(※FACT CHECK:デュッセルドルフ大学などの研究エピソードに基づく) このように、それぞれのビールが持つバックボーンやキャラクター(個性)が明確だからこそ、ドイツのポップカルチャーでは「あなたはどのビールタイプ?」といった見立て遊びが成り立ちます。ビールを擬人化して楽しめるほど、ドイツビールは個性の宝庫なのです。 4つの個性(性格)を味わう。シュマッツのグラス付きギフトセット ビールを性格に見立てて味わうと、いつもの一杯がさらに面白くなります。 実は、シュマッツで人気の「グラス付きギフトセット」には、ドイツビールの豊かな個性を代表する4種類のビールが勢揃いしています。この4つを飲み比べることで、ビールが持つ多様なキャラクターを一度に体験できるのです。 それぞれどんな「性格」をしているのか、見てみましょう。 1.ジャーマンラガー(メルツェン):深みと温かみのある「人情家」 一般的なピルスナーとは異なり、少し色味が濃く、モルトの香ばしい甘みとリッチな味わいが特徴のメルツェン(シュマッツではジャーマンラガーと呼んでいます)。どっしりとした包容力があり、噛めば噛むほど味が出る、頼もしいお父さんのような存在です。 2. ヘレス:誰からも愛される「明るい社交家」 南ドイツで愛される黄金色のヘレス。麦の旨味とスッキリとした飲み口のバランスが絶妙で、どんな料理にも、どんな場面にもスッと馴染みます。いつも輪の中心にいて、みんなを笑顔にする親しみやすい性格と言えるでしょう。 3. ヴァイツェン:場を和ませる「穏やかなムードメーカー」 バイエルン地方の伝統である、小麦を使った白ビール。バナナのようなフルーティな香りと、苦味を抑えたまろやかな口当たりが特徴です。リラックスした休日を愛する、温厚で優しいお父さんにぴったり。一緒にいるだけでホッとできるようなビールです。 ...
お父さんはどのタイプ?ビールを性格に見立てて楽しむ、父の日のドイツビールギフト
お父さんはどのタイプ?ビールを性格に見立てて楽しむ、父の日のドイツビールギフト 今年の父の日は、ビールを「人間の性格」に見立てて選んでみませんか?本場ドイツの豊かなビール文化のエピソードを交えながら、4つの個性的なビアスタイルを飲み比べできる、シュマッツのギフトセットの魅力をご紹介します。 父の日の贈り物として定番の「ビールギフト」。毎年なんとなく選んでしまっているという方も多いのではないでしょうか。今年は少し視点を変えて、ビールを「人間の性格」に見立てて、その豊かな個性を味わう面白さをプレゼントしてみませんか? 実は本場ドイツでは、ビールは単なる飲み物ではなく、その人のアイデンティティを映し出す鏡のような存在。多種多様なビアスタイルがあるからこそ、まるで性格診断ができてしまうほど、それぞれに際立った個性があるのです。 今回は、ドイツの深いビール文化を紐解きながら、ビールの個性を味わう新しいギフトの楽しみ方をご紹介します。 ドイツビールは個性の宝庫!飲むビールで「人」がわかる? ドイツには約1,500もの醸造所があり、そのうちの半数近くが南部のバイエルン州に集中しています。「地元のビールを飲むことは、そこへの帰属を意味する」とされており、どのビールを選ぶかは、味の好み以上に「自分が何者であるか」を語る重要な要素です。 たとえば、ケルン地方には「ケルシュは飲める唯一の言語である」という有名なことわざがあります。「ケルシュ」という言葉が地元の方言とビールの両方を意味するためです。また、ケルン(ケルシュ)と隣街デュッセルドルフ(アルトビール)の間には、何百年にもわたるライバル関係が存在します。 ある大学が目隠しテストを行ったところ、参加者が自分の街のビールを正確に当てられたのはわずか55%(ほぼ偶然と同じ確率)でした。この結果から、「味の問題というより、イデオロギー(信条)の問題である」と結論づけられたほどです。(※FACT CHECK:デュッセルドルフ大学などの研究エピソードに基づく) このように、それぞれのビールが持つバックボーンやキャラクター(個性)が明確だからこそ、ドイツのポップカルチャーでは「あなたはどのビールタイプ?」といった見立て遊びが成り立ちます。ビールを擬人化して楽しめるほど、ドイツビールは個性の宝庫なのです。 4つの個性(性格)を味わう。シュマッツのグラス付きギフトセット ビールを性格に見立てて味わうと、いつもの一杯がさらに面白くなります。 実は、シュマッツで人気の「グラス付きギフトセット」には、ドイツビールの豊かな個性を代表する4種類のビールが勢揃いしています。この4つを飲み比べることで、ビールが持つ多様なキャラクターを一度に体験できるのです。 それぞれどんな「性格」をしているのか、見てみましょう。 1.ジャーマンラガー(メルツェン):深みと温かみのある「人情家」 一般的なピルスナーとは異なり、少し色味が濃く、モルトの香ばしい甘みとリッチな味わいが特徴のメルツェン(シュマッツではジャーマンラガーと呼んでいます)。どっしりとした包容力があり、噛めば噛むほど味が出る、頼もしいお父さんのような存在です。 2. ヘレス:誰からも愛される「明るい社交家」 南ドイツで愛される黄金色のヘレス。麦の旨味とスッキリとした飲み口のバランスが絶妙で、どんな料理にも、どんな場面にもスッと馴染みます。いつも輪の中心にいて、みんなを笑顔にする親しみやすい性格と言えるでしょう。 3. ヴァイツェン:場を和ませる「穏やかなムードメーカー」 バイエルン地方の伝統である、小麦を使った白ビール。バナナのようなフルーティな香りと、苦味を抑えたまろやかな口当たりが特徴です。リラックスした休日を愛する、温厚で優しいお父さんにぴったり。一緒にいるだけでホッとできるようなビールです。 ...
特製ビールカートで練り歩く、ドイツの「父の日」の驚くべきリアル
特製ビールカートで練り歩く、ドイツの「父の日」の驚くべきリアル 日本の父の日の定番はビールギフトですが、本場ドイツの父の日は全く違う?特製ビールカートでの大宴会から、特許庁も巻き込む熱狂、そして意外な「プレゼント事情」まで。日本の常識が覆る、ドイツのディープな父の日(Vatertag)のリアルをご紹介します。 特製ビールカートで練り歩く、ドイツの「父の日」の驚くべきリアル 毎年6月の第3日曜日は「父の日」ですね。日本ではお父さんに日頃の感謝を伝えたり、ちょっといいビールギフトを贈ったりするのが定番の過ごし方です。 しかし、ビールの本場・ドイツの父の日(Vatertag)は、日本の穏やかな祝日とはまったく異なる、驚きの文化を持っています。今回は、思わず誰かに話したくなるような、ドイツの父の日のディープな実態と歴史をご紹介します。読み終わる頃には、いつものビールが少し違った味わいに感じられるかもしれません。 1. 天の父から地上の父へ?ドイツの父の日は「大宴会」の日 アメリカ発祥の「父の日」とは異なり、ドイツの父の日は中世の信仰行事や19世紀の文化から独自に発展したものです 。そのため、日付も毎年変わります。 キリスト昇天祭と重なる「男たちの休日」 ドイツの父の日は、「キリスト昇天祭(Christi Himmelfahrt)」という祝日と同じ日に設定されています 。イースター(復活祭)から39日後の木曜日となるため、2026年の場合は5月14日です 。もともとは「天にいる父(神)」を讃える宗教的な日でしたが、それがいつしか「地上の父」を楽しむ日(カウンタープログラム)へと変化していったという民俗学的な解釈もあります 。 驚くべきことに、この日盛大にお祝いをしている「父親たち」の多くは、実は子どもがいない独身男性だという記録もあります 。 2. 特許庁も注目!「特製ビールカート(Bollerwagen)」への異常な情熱 ドイツの父の日を象徴するアイテムが、「ボラーヴァーゲン(Bollerwagen)」と呼ばれる手押し車です。男たちはこのカートにお酒をたっぷり積み込み、自然の中を練り歩きながら大宴会を繰り広げます 。 ビールカートに特許を取るドイツ人 この手押し車への情熱はすさまじく、なんとドイツの連邦特許商標庁(DPMA)が、父の日に向けて特製ビールカートの特許や実用新案を紹介する特設ページを設けているほどです 。 ◎ ビールサーバー付きのカートや、パラソルと立ち飲みテーブルが一体化したカートなどが実際に登録されています 。 ◎...
特製ビールカートで練り歩く、ドイツの「父の日」の驚くべきリアル
特製ビールカートで練り歩く、ドイツの「父の日」の驚くべきリアル 日本の父の日の定番はビールギフトですが、本場ドイツの父の日は全く違う?特製ビールカートでの大宴会から、特許庁も巻き込む熱狂、そして意外な「プレゼント事情」まで。日本の常識が覆る、ドイツのディープな父の日(Vatertag)のリアルをご紹介します。 特製ビールカートで練り歩く、ドイツの「父の日」の驚くべきリアル 毎年6月の第3日曜日は「父の日」ですね。日本ではお父さんに日頃の感謝を伝えたり、ちょっといいビールギフトを贈ったりするのが定番の過ごし方です。 しかし、ビールの本場・ドイツの父の日(Vatertag)は、日本の穏やかな祝日とはまったく異なる、驚きの文化を持っています。今回は、思わず誰かに話したくなるような、ドイツの父の日のディープな実態と歴史をご紹介します。読み終わる頃には、いつものビールが少し違った味わいに感じられるかもしれません。 1. 天の父から地上の父へ?ドイツの父の日は「大宴会」の日 アメリカ発祥の「父の日」とは異なり、ドイツの父の日は中世の信仰行事や19世紀の文化から独自に発展したものです 。そのため、日付も毎年変わります。 キリスト昇天祭と重なる「男たちの休日」 ドイツの父の日は、「キリスト昇天祭(Christi Himmelfahrt)」という祝日と同じ日に設定されています 。イースター(復活祭)から39日後の木曜日となるため、2026年の場合は5月14日です 。もともとは「天にいる父(神)」を讃える宗教的な日でしたが、それがいつしか「地上の父」を楽しむ日(カウンタープログラム)へと変化していったという民俗学的な解釈もあります 。 驚くべきことに、この日盛大にお祝いをしている「父親たち」の多くは、実は子どもがいない独身男性だという記録もあります 。 2. 特許庁も注目!「特製ビールカート(Bollerwagen)」への異常な情熱 ドイツの父の日を象徴するアイテムが、「ボラーヴァーゲン(Bollerwagen)」と呼ばれる手押し車です。男たちはこのカートにお酒をたっぷり積み込み、自然の中を練り歩きながら大宴会を繰り広げます 。 ビールカートに特許を取るドイツ人 この手押し車への情熱はすさまじく、なんとドイツの連邦特許商標庁(DPMA)が、父の日に向けて特製ビールカートの特許や実用新案を紹介する特設ページを設けているほどです 。 ◎ ビールサーバー付きのカートや、パラソルと立ち飲みテーブルが一体化したカートなどが実際に登録されています 。 ◎...
ゴールデンウィークは「ヨコハマフリューリングフェスト」でドイツを感じてみませんか?
ゴールデンウィークは「ヨコハマフリューリングフェスト」でドイツを感じてみませんか? 秋の「オクトーバーフェスト」に並ぶドイツの春の祭典「フリューリングフェスト」をご存知ですか?地元民が愛する本場の熱気や、明日から試したくなる「ドイツ流の正しい乾杯ルール」を徹底解説。GWの横浜でのイベント情報と共にお届けします! 目次 1. 「オクトーバーフェストの妹」?いいえ、地元民が愛する本命の春祭り 2. 規模も空気感も違う!2つの祭りを徹底比較 3. 実は本家はミュンヘンじゃない!?シュツットガルトの巨大な春祭り 4. 本場ドイツ流!ビールがもっと美味しくなる「乾杯」の作法 5. 2026年のGWは「ヨコハマフリューリングフェスト」で乾杯! 1. 「オクトーバーフェストの妹」?いいえ、地元民が愛する本命の春祭り 春のドイツには、秋の祭典に負けない春祭り「フリューリングフェスト」が存在します。2026年にミュンヘンで記念すべき第60回を迎えるこの祭りは、日本でも今まさにゴールデンウィーク(GW)の風物詩になりつつあります。 「オクトーバーフェストは知ってるけど、フリューリングフェストって何?」と思ったあなたは、まだドイツビール文化の半分しか知らないかもしれません。フリューリングフェストとはドイツ語で「春祭り」のことです。秋に世界最大の祭りを開くドイツ人が、春にも同じ場所でビールを手に集まります。ドイツ人にとってこの祭りは、「長い冬からの脱出」を体で祝う場であり、日本でいえばお花見的なポジションに近い、とてもハッピーな空間です。 2. 規模も空気感も違う!2つの祭りを徹底比較 正直にお伝えすると、本場のオクトーバーフェストは、今やかなりインターナショナルな祭りです。来場者の約15%が外国人観光客で、人気テントは半年前から予約争奪戦が始まります。週末の午後に「ちょっと一杯」でふらっと行けるようなイベントではなくなってきているのが実情です。 一方、フリューリングフェストはその点でまったく異なる空気を持っています。予約なしで午後に行っても席があり、観光客よりも地元のミュンヘン市民の割合が高いのが特徴です。ドイツ人の仲間たちが「オクトーバーフェストより、むしろこっちのほうが本来のバイエルンの祭りに近い」と言うのもうなずけます。 項目 オクトーバーフェスト ミュンヘン・フリューリングフェスト 時期・期間 9月中旬〜10月初旬 / 16日間 4月中旬〜5月初旬...
ゴールデンウィークは「ヨコハマフリューリングフェスト」でドイツを感じてみませんか?
ゴールデンウィークは「ヨコハマフリューリングフェスト」でドイツを感じてみませんか? 秋の「オクトーバーフェスト」に並ぶドイツの春の祭典「フリューリングフェスト」をご存知ですか?地元民が愛する本場の熱気や、明日から試したくなる「ドイツ流の正しい乾杯ルール」を徹底解説。GWの横浜でのイベント情報と共にお届けします! 目次 1. 「オクトーバーフェストの妹」?いいえ、地元民が愛する本命の春祭り 2. 規模も空気感も違う!2つの祭りを徹底比較 3. 実は本家はミュンヘンじゃない!?シュツットガルトの巨大な春祭り 4. 本場ドイツ流!ビールがもっと美味しくなる「乾杯」の作法 5. 2026年のGWは「ヨコハマフリューリングフェスト」で乾杯! 1. 「オクトーバーフェストの妹」?いいえ、地元民が愛する本命の春祭り 春のドイツには、秋の祭典に負けない春祭り「フリューリングフェスト」が存在します。2026年にミュンヘンで記念すべき第60回を迎えるこの祭りは、日本でも今まさにゴールデンウィーク(GW)の風物詩になりつつあります。 「オクトーバーフェストは知ってるけど、フリューリングフェストって何?」と思ったあなたは、まだドイツビール文化の半分しか知らないかもしれません。フリューリングフェストとはドイツ語で「春祭り」のことです。秋に世界最大の祭りを開くドイツ人が、春にも同じ場所でビールを手に集まります。ドイツ人にとってこの祭りは、「長い冬からの脱出」を体で祝う場であり、日本でいえばお花見的なポジションに近い、とてもハッピーな空間です。 2. 規模も空気感も違う!2つの祭りを徹底比較 正直にお伝えすると、本場のオクトーバーフェストは、今やかなりインターナショナルな祭りです。来場者の約15%が外国人観光客で、人気テントは半年前から予約争奪戦が始まります。週末の午後に「ちょっと一杯」でふらっと行けるようなイベントではなくなってきているのが実情です。 一方、フリューリングフェストはその点でまったく異なる空気を持っています。予約なしで午後に行っても席があり、観光客よりも地元のミュンヘン市民の割合が高いのが特徴です。ドイツ人の仲間たちが「オクトーバーフェストより、むしろこっちのほうが本来のバイエルンの祭りに近い」と言うのもうなずけます。 項目 オクトーバーフェスト ミュンヘン・フリューリングフェスト 時期・期間 9月中旬〜10月初旬 / 16日間 4月中旬〜5月初旬...
今日4月23日はドイツビールの日!「蛇口からビール」が出る街とビール純粋令の秘密
今日4月23日はドイツビールの日!「蛇口からビール」が出る街とビール純粋令の秘密 ドイツには「蛇口からビール」が出る街があるのをご存知ですか? 今日4月23日は、そんなビールを愛してやまない人たちにとって特別な「ドイツビールの日」です。日本でも同じ日が「クラフトビールの日」として制定されているため、今日はビール好きにとってちょっとうれしい一日と言えるでしょう。 今回は、ドイツの豊かなビール文化の根底にある「ビール純粋令」の歴史と、長いビールの歴史の裏話、そして現代の美味しい一杯につながる秘密を紐解きます。ビールグラスを傾けながら、500年の歴史のロマンを感じてみませんか? 1. なぜ4月23日が「ドイツビールの日」なの? 「そもそも、なんで4月23日が記念日なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。 その答えは、今から500年以上前の歴史にさかのぼります。1516年の4月23日、ドイツ・バイエルン地方の君主(ウィルヘルム4世)がある法律を制定しました。その名もビール純粋令(Reinheitsgebot)です。 この法律は、ビールの原料を「大麦・ホップ・水」の3種類だけに絞るという非常に厳格なものでした。粗悪なビールの流通を防ぎ、パンの主原料である小麦やライ麦を確保するための政策だったと言われていますが、結果的にこれがドイツビールの品質を世界最高峰に押し上げる土台となりました。 この歴史的な日を記念して、毎年4月23日が「ドイツビールの日」として祝われるようになったのです。 2. ツッコミどころ満載?「ビール純粋令」3つの裏話 「純粋令」と聞くと、いかにもドイツらしくてカッコいい響きですが、歴史の紐を解いてみると、実はいろいろとツッコミどころが隠されています。 法律の「ついで」に書かれていた? まず、この法律は「ビールだけのために作られた法律」ではありませんでした。実は、漁業のルールや冒涜罪の禁止まで細かく書かれた、めちゃくちゃ分厚い法令集の一部にすぎなかったのです。ビールに関する記述は、その膨大なルールのなかのたった一文にすぎませんでした。 最も重要な「アレ」が抜けている! 法律には原料として「大麦・ホップ・水」と明記されていますが、ビール造りに絶対に欠かせない「酵母」の記載がありません。 実は、当時はまだ顕微鏡もなく、酵母という微生物の存在が科学的にわかっていなかったからです。当時の醸造家は、発酵が終わった後の沈殿物や、空気中の野生酵母を経験的に利用していました。 酵母が発酵に関わっていることが科学的に解明されたのは、この法律の制定から約360年も後の話になります。 「純粋令」という名前は後付けだった さらに以外なのが、「純粋令」という名前自体が、わりと最近つけられたものだということです。 1516年の制定当時は「代用品禁止令」などと呼ばれていました。「純粋令」という美しい呼び名が広く定着したのは、なんと1900年代に入ってからのこと。500年の歴史があるように見えて、この名前で呼ばれるようになってからはざっくり100年ほどの歴史しかないのです。 3. ドイツの愛媛県!?「蛇口からビール」が出る街インゴルシュタット 愛媛県といえば「蛇口からミカンジュースが出る」という有名な話がありますよね。実際に観光客に大人気だったりします。 じつは、本場ドイツにも同じような夢のスポットが存在します。ビール純粋令が生まれた場所として有名な街、インゴルシュタット(Ingolstadt)には、純粋令の制定を記念して設置された「ビール噴水」があります。そしてここからは、本当にビールが出てくるんです。 お祭りの時期になると、なんと噴水の水がビールに切り替わり、訪れた人たちは無料で飲み放題になります。...
今日4月23日はドイツビールの日!「蛇口からビール」が出る街とビール純粋令の秘密
今日4月23日はドイツビールの日!「蛇口からビール」が出る街とビール純粋令の秘密 ドイツには「蛇口からビール」が出る街があるのをご存知ですか? 今日4月23日は、そんなビールを愛してやまない人たちにとって特別な「ドイツビールの日」です。日本でも同じ日が「クラフトビールの日」として制定されているため、今日はビール好きにとってちょっとうれしい一日と言えるでしょう。 今回は、ドイツの豊かなビール文化の根底にある「ビール純粋令」の歴史と、長いビールの歴史の裏話、そして現代の美味しい一杯につながる秘密を紐解きます。ビールグラスを傾けながら、500年の歴史のロマンを感じてみませんか? 1. なぜ4月23日が「ドイツビールの日」なの? 「そもそも、なんで4月23日が記念日なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。 その答えは、今から500年以上前の歴史にさかのぼります。1516年の4月23日、ドイツ・バイエルン地方の君主(ウィルヘルム4世)がある法律を制定しました。その名もビール純粋令(Reinheitsgebot)です。 この法律は、ビールの原料を「大麦・ホップ・水」の3種類だけに絞るという非常に厳格なものでした。粗悪なビールの流通を防ぎ、パンの主原料である小麦やライ麦を確保するための政策だったと言われていますが、結果的にこれがドイツビールの品質を世界最高峰に押し上げる土台となりました。 この歴史的な日を記念して、毎年4月23日が「ドイツビールの日」として祝われるようになったのです。 2. ツッコミどころ満載?「ビール純粋令」3つの裏話 「純粋令」と聞くと、いかにもドイツらしくてカッコいい響きですが、歴史の紐を解いてみると、実はいろいろとツッコミどころが隠されています。 法律の「ついで」に書かれていた? まず、この法律は「ビールだけのために作られた法律」ではありませんでした。実は、漁業のルールや冒涜罪の禁止まで細かく書かれた、めちゃくちゃ分厚い法令集の一部にすぎなかったのです。ビールに関する記述は、その膨大なルールのなかのたった一文にすぎませんでした。 最も重要な「アレ」が抜けている! 法律には原料として「大麦・ホップ・水」と明記されていますが、ビール造りに絶対に欠かせない「酵母」の記載がありません。 実は、当時はまだ顕微鏡もなく、酵母という微生物の存在が科学的にわかっていなかったからです。当時の醸造家は、発酵が終わった後の沈殿物や、空気中の野生酵母を経験的に利用していました。 酵母が発酵に関わっていることが科学的に解明されたのは、この法律の制定から約360年も後の話になります。 「純粋令」という名前は後付けだった さらに以外なのが、「純粋令」という名前自体が、わりと最近つけられたものだということです。 1516年の制定当時は「代用品禁止令」などと呼ばれていました。「純粋令」という美しい呼び名が広く定着したのは、なんと1900年代に入ってからのこと。500年の歴史があるように見えて、この名前で呼ばれるようになってからはざっくり100年ほどの歴史しかないのです。 3. ドイツの愛媛県!?「蛇口からビール」が出る街インゴルシュタット 愛媛県といえば「蛇口からミカンジュースが出る」という有名な話がありますよね。実際に観光客に大人気だったりします。 じつは、本場ドイツにも同じような夢のスポットが存在します。ビール純粋令が生まれた場所として有名な街、インゴルシュタット(Ingolstadt)には、純粋令の制定を記念して設置された「ビール噴水」があります。そしてここからは、本当にビールが出てくるんです。 お祭りの時期になると、なんと噴水の水がビールに切り替わり、訪れた人たちは無料で飲み放題になります。...
ビールの「麦芽(モルト)」とは?色と味を決める”液体のパン”の秘密
ビールの「麦芽(モルト)」とは?色と味を決める”液体のパン”の秘密 ビールの色・味・香りを決める「麦芽(モルト)」とは?古代エジプトの製麦や、ドイツの修道士が生んだ"液体のパン"のエピソードまで、本場ドイツの文化と歴史で紐解きます。シュマッツがその魅力をお届けします。 1. ビールの「麦芽(モルト)」とは?色と味を決める”液体のパン”の秘密 ビールを語るとき、多くの人がまず思い浮かべるのは「ホップ」や「のどごし」ではないでしょうか。でも実は、ビールという液体の黄金色や漆黒の色彩、深いコク、そして芳醇な香り——その正体のほとんどは「麦芽(モルト)」が握っています。 ドイツにおいて、麦芽は単なる原料ではありません。「ドイツビールは誇りある文化」であり、500年以上にわたる法律の攻防や、修道士たちのちょっとズルい知恵、職人たちの情熱がこの小さな穀物に詰まっているのです。 このコラムでは、ビールの「魂」ともいえる麦芽の世界を、ドイツの歴史とともに分かりやすく解説します。読み終える頃には、ビールの選び方が変わり、次の一杯がもっと美味しく、特別なビールに感じられるはずですよ。 2. 麦芽(モルト)とは?大麦が「ビールの素」に変わる瞬 そもそも麦芽とは何か。ひとことで言えば、「発芽させた大麦」です。 大麦はそのままではアルコールを生み出せません。水分と適度な温度を与えて発芽させることで、大麦の中で眠っていた酵素が目を覚まし、デンプンを糖に変える力が生まれます。この「製麦(モルティング)」というプロセスを経て初めて、大麦はクラフトビールやドイツビール醸造の主役になれるのです。 ホップが「香りと苦味」の担当なら、麦芽は「骨格と風味」の担当です。まろやかな甘みも、パンのような華やかな芳ばしさも、ぜんぶ麦芽の仕事。 地味に見えて、実はビール界の大黒柱なのです。 3. 古代エジプトの井戸から始まった|製麦4000年のあゆみ 麦芽づくりの歴史は、なんと古代エジプトにまで遡ると言われています。 当時の人々は、大麦を入れた籐の籠を井戸の中に吊るし下ろすという方法で製麦を行っていました。底まで沈めて水分を吸わせ、引き上げて発芽を促す。発熱しすぎたら冷たい深層へ戻し、もっと発芽させたければ暖かい浅層へ引き上げる。井戸の深さによる温度差を利用した、いわば「天然のサーモスタット」です。 時代が進んで中世ヨーロッパ。石造りの「モルトハウス(製麦所)」が各地に建てられるようになりました。なかでもドイツ・バイエルン地方の醸造所では、ゾルンホーフェン村で採れる特殊な石灰岩を床材に使うのがこだわりでした。この石は熱を穏やかに逃がす性質があり、発芽中の麦芽の温度管理にうってつけだったのです。 現代でもバイエルンの一部の醸造所では、この「フロアモルティング(床式製麦)」を守り続けています。重さ30キログラムにもなる鉄の熊手で麦芽を延々とかき混ぜる過酷な作業ですが、ドイツの職人たちはこの巨大な熊手に「上機嫌」というニックネームをつけています。 4. ビールの色は麦芽で決まる!風味をつくる「メイラード反応」 ビールの色が黄金色がきらりと輝いていたり、琥珀色だったり、コーヒーのように漆黒だったりするのは、実はすべて麦芽の違いによるものです。 この魔法を生み出しているのが「メイラード反応」という化学反応。麦芽に含まれるアミノ酸と糖が加熱されることで、褐色の物質と香気成分が生まれます。パンの焼き色やステーキの焦げ目と同じ原理ですね。 モルト職人は、乾燥炉の温度と時間を緻密にコントロールすることで、同じ大麦からまったく違うキャラクターの麦芽を作り分けます。 ◯ ピルスナー麦芽: 低温でさっと仕上げ、明るい金色とクリーンな穀物の甘みが特徴。ヘレスやラガーのベースになります。 ◯...
ビールの「麦芽(モルト)」とは?色と味を決める”液体のパン”の秘密
ビールの「麦芽(モルト)」とは?色と味を決める”液体のパン”の秘密 ビールの色・味・香りを決める「麦芽(モルト)」とは?古代エジプトの製麦や、ドイツの修道士が生んだ"液体のパン"のエピソードまで、本場ドイツの文化と歴史で紐解きます。シュマッツがその魅力をお届けします。 1. ビールの「麦芽(モルト)」とは?色と味を決める”液体のパン”の秘密 ビールを語るとき、多くの人がまず思い浮かべるのは「ホップ」や「のどごし」ではないでしょうか。でも実は、ビールという液体の黄金色や漆黒の色彩、深いコク、そして芳醇な香り——その正体のほとんどは「麦芽(モルト)」が握っています。 ドイツにおいて、麦芽は単なる原料ではありません。「ドイツビールは誇りある文化」であり、500年以上にわたる法律の攻防や、修道士たちのちょっとズルい知恵、職人たちの情熱がこの小さな穀物に詰まっているのです。 このコラムでは、ビールの「魂」ともいえる麦芽の世界を、ドイツの歴史とともに分かりやすく解説します。読み終える頃には、ビールの選び方が変わり、次の一杯がもっと美味しく、特別なビールに感じられるはずですよ。 2. 麦芽(モルト)とは?大麦が「ビールの素」に変わる瞬 そもそも麦芽とは何か。ひとことで言えば、「発芽させた大麦」です。 大麦はそのままではアルコールを生み出せません。水分と適度な温度を与えて発芽させることで、大麦の中で眠っていた酵素が目を覚まし、デンプンを糖に変える力が生まれます。この「製麦(モルティング)」というプロセスを経て初めて、大麦はクラフトビールやドイツビール醸造の主役になれるのです。 ホップが「香りと苦味」の担当なら、麦芽は「骨格と風味」の担当です。まろやかな甘みも、パンのような華やかな芳ばしさも、ぜんぶ麦芽の仕事。 地味に見えて、実はビール界の大黒柱なのです。 3. 古代エジプトの井戸から始まった|製麦4000年のあゆみ 麦芽づくりの歴史は、なんと古代エジプトにまで遡ると言われています。 当時の人々は、大麦を入れた籐の籠を井戸の中に吊るし下ろすという方法で製麦を行っていました。底まで沈めて水分を吸わせ、引き上げて発芽を促す。発熱しすぎたら冷たい深層へ戻し、もっと発芽させたければ暖かい浅層へ引き上げる。井戸の深さによる温度差を利用した、いわば「天然のサーモスタット」です。 時代が進んで中世ヨーロッパ。石造りの「モルトハウス(製麦所)」が各地に建てられるようになりました。なかでもドイツ・バイエルン地方の醸造所では、ゾルンホーフェン村で採れる特殊な石灰岩を床材に使うのがこだわりでした。この石は熱を穏やかに逃がす性質があり、発芽中の麦芽の温度管理にうってつけだったのです。 現代でもバイエルンの一部の醸造所では、この「フロアモルティング(床式製麦)」を守り続けています。重さ30キログラムにもなる鉄の熊手で麦芽を延々とかき混ぜる過酷な作業ですが、ドイツの職人たちはこの巨大な熊手に「上機嫌」というニックネームをつけています。 4. ビールの色は麦芽で決まる!風味をつくる「メイラード反応」 ビールの色が黄金色がきらりと輝いていたり、琥珀色だったり、コーヒーのように漆黒だったりするのは、実はすべて麦芽の違いによるものです。 この魔法を生み出しているのが「メイラード反応」という化学反応。麦芽に含まれるアミノ酸と糖が加熱されることで、褐色の物質と香気成分が生まれます。パンの焼き色やステーキの焦げ目と同じ原理ですね。 モルト職人は、乾燥炉の温度と時間を緻密にコントロールすることで、同じ大麦からまったく違うキャラクターの麦芽を作り分けます。 ◯ ピルスナー麦芽: 低温でさっと仕上げ、明るい金色とクリーンな穀物の甘みが特徴。ヘレスやラガーのベースになります。 ◯...